『博物館明治村』
京都電気鉄道

明治28年は日清戦争が大勝に終り、多額の賞金を得て各界とも好況下にありました。この年の春、京都で第四回内国勧業博覧会が開催されましたが、この博覧会の見物客を輸送するのに間に合わせて、同年1月31日京都電気鉄道(明治27年設立)が京都―伏見間にわが国で初めて電気鉄道の営業運転を開始しました。電気鉄道といってもアメリカで実用化された単線架空式路面電車の技術を導入したものです。動力には直流500V、25馬力の国産モーター(わが国初の電気メーカー三吉工場製)が使用され、また電力は市営の蹴上発電所から供給を受けました。車体は長さ6m、幅1.8m、重量6 ton、定員28人で、写真に見られるようにトロリーポールは1本、側窓は7個、運転台は開放型です。この伏見線が開通して以降、各地で営業運転が開始されるようになり、私鉄先行の下で電気鉄道の黎明期に入りました。この頃から暫くして電食問題が論じられるようになり、はや100年が経過したことになります。

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